meets#1 madoki yamasaki mama!milk

[Vinyl]
[ LP ] RAFT-012
[CD]
[ CD ] RAFT-011
[Digital]
[ DIGITAL ] https://lnk.to/SsIWtE

ポエトリー・ジャズ・プロジェクト F.I.B JOURNAL 始動前夜の山崎円城とmama!milkのコラボレーション作品。
山崎の嗄れたスポークン・ワーズを軸に、集まった盟友の名演も鈍色に光る。
スリリングな駆けひき、絡みあい、激しさ、優しさ、様々な瞬間の詰まった、一編のロード・ムービー。


[ 収 録 楽 曲 ]

1. PaPa Satchmo
2. one car passes
3. one more car passes
4. AO for them
5. Do the piano,do!
6. Granpa’s dinner table
7. The song for dawn in the old south

all songs arrangemented & produced by 山崎円城 & mama!milk


[ 演 奏 ]

山崎 円城 ( noise on trash, book worm, F.I.B JOURNAL ), ヴォイス
生駒 祐子 ( mama!milk ), アコーディオン, ピアノ
清水 恒輔 ( mama!milk ), コントラバス, チェロ

additional musicians
市原 大資 ( Determinations ), トランペット, トロンボーン
森 雅樹 ( Ego-Wrappin’ ), ギター
栗原 務 ( Little Creatures ), パーカッション, ドラム


録音, マスタリング:北畑 俊明 at Alchemy Studio(大阪) & cafe DETAJ 2002年
翻訳協力:大谷健次郎 / Heather
アートディレクション: FJD

a&r:executive produced by 笹岡太郎 / raft music


[[ comment ]]

経緯はこうです。福岡でmama!milkとセッションし、2日酔いを東京にもちかえると、 いつもは閉まっているガレージが開いていて何げなく中をのぞいてみると金色の大黒様が2体。 それに大黒 mama!milk と命名し家にもどると「レコーディングしませんか?」と本物の mama!milk から連絡があったわけです。不思議な話です。でも大黒様も喜んでくれるでしょう。音が有機物ということをあらためて感じさせてくれるいいレコーディングでしたから。ちなみにガレージの名前はオフィス山崎でした。
山崎円城 ( noise on trash, book worm )

2001年8月17日——真夏。かわいた夜。東京にて、山崎円城さんのうたうnoise on trashに出逢う。その匂いに、激しく惹かれる。匂い。
2002年4月20日——なまあたたかい雨。福岡、THRUSH CAFEにてmama!milkのライブ。 時を同じくしてbookwormで福岡に来ていた円城さんとセッション。絡みあい、駆けひき、解き放つ力。すべての瞬間に、私はただの音になる。偶然の必然を思う。
2002年7月10日——垂れ込めた夏雲が鈍く光る。夏。明日から大阪、アルケミースタジオ。“meets#1 madoki yamasaki”のレコーディングが始まる。録音を前提に3人でやりとりを重ねてきた、空気や音、ことば。一緒に演奏する市原大資さん、森雅樹さん、そして栗原務さんとの時間。その中で私の見た、たくさん、たくさんの優しさや強さ、愛すべき弱さ、激しさ、かなしさ、全部、なにもかも、音におさめられますよう。
生駒祐子( mama!milk )

“meets#”について mama!milkが出逢った人と作品をつくるmeets# シリーズ、はじめてみました。#1は山 崎円城氏の言葉を軸に、参加してもらった御三方、エンジニアの北畑氏、アートワークのFJD、RAFT MUSIC笹岡氏、素晴らしいです。 このシリーズが、誰かと出逢って、初期衝動みたいなものが起こった時にすぐかたち にできる地盤になればと思っています。#2の人はいつ出逢うかわからないし、その人 は音を発する人なのか、音ではないものを発する人なのかもわかりません。 漠然としているようですが、ピンとくる瞬間を逃さないようにアンテナを伸ばして 日々 過ごすのも楽しいもんです。 #10までいったらBOXだしますよ(談)。
清水恒輔( mama!milk )


[[ Recomented ]]

脇役として生きること。それは時にもの悲しささえ感じさせる言葉だけれど、ちょいと違う、と本気で思う。それはきっと、僕が mama!milk の音楽をほんの少しだけ知っているから。生駒祐子のエロチックなメロディと清水恒輔の真摯なリズム、この2つはいつだって脇役、聴いてる“あなた”や“わたし”が主役となって、その間に立ち入ることができるはず。そして、今回、山崎円城の穏やかな嗄れ声が主役になると思いきや、2人のたおやかなトーンに静かに溶け合って、聴く者の想像力のパレットに、新たな色をポトリと落とす……血の色にも似た、そんな、色。もちろん、脇役のフリしつつ、影でニヤリと笑っている彼らのその表情が、僕はとてもとても好きなのだけれど。
小田晶房 ( map )

単調に過ぎているようで、本当は毎日いろいろである。笑ったり、苛立ったり、希望を持ったり、震えるほどの怒りを感じたり、不安になったり、愛しあったり、泣いたり泣きやんだり、反省したり、カッコつけたり、感謝したり……。mama!milk が奏でる強くて優しい音楽は、そういうことをわかってくれている。誰かと一緒に毛布にくるまって、小さな声でおしゃべりするような親密さで。 あなたはマッチ売りの少女にでもなった気分で、このアルバムを聴いてみればいい。 アコーディオンとウッドベースの旋律に山崎円城氏の声がしっくりと絡み、あなたが手にした小さな炎の中に物語が映し出される。ありったけのマッチに次々と火を灯すように、輝く光と喜びであたりを包み込むようなこの音楽を、繰り返し繰り返し聴い ていたくなるはずだ。
佐久間成美