第6回 前川秀樹像刻展・予告演奏会
「Witch’s Portrait」

「渡り鳥のウィッチ」前川秀樹　2014

春のはじまりに、像刻家、前川秀樹さんの新作「witch’s portrait」へ音楽を捧げます。
東京・DEE’S HALLで5月に開催される本展覧会へ向けた予告演奏会です。

……前川秀樹さんの6回目の像刻展は5月。
テーマは「witch’s portrait」。
そのイメージをmama!milkの演奏で感じてほしいという予告演奏会。
春の宵、すばらしいliveに展覧会への期待が膨らむことでしょう。
きっと美しい音の余韻が心に残る夜。どうぞお出かけ下さい。
……DEE’S HALL
witch’s portrait

「witch’s portrait」

魔女たちの肖像。
パリの蚤の市で買い求めた、色あせたセピア色の肖像写真や絵ハガキ。
それが誰で、いつの時代の女性たちなのか全く分からないけれど、
まして、現在の僕とは何の縁のつながりもあろうはずもないけれど、
彼女たちがいつか、どこかには実在したことは間違いはなく、
もしかしたら、この人は周りからはウィッチと呼ばれ、
想像を絶する数奇な運命をたどった人物だったかもしれない。

ウィッチ、その昔、ドイツでは垣根の上の女
と呼ばれ、ときには崇められ、ときにはひどく虐げられた女たち。
あちらとこちら、その両方にまたがる
境界の上の住人。

男の手も強固な宗教教理も届かぬ、向こう側と通じた女たち。

その秘された異形の才にもかかわらず、
彼女たちの風体や面影は、悪魔や怪物や妖怪のようでなく、
骨董屋の店先に無造作に束ねられた写真カードに
わけもなく紛れてしまうほど
驚くほど普通の顔立ちの、ただの一人の女だったのではなかっただろうか。

……前川秀樹
LOLO CALO HARMATAN